子供のマウスピース矯正はいつから?小学生の開始時期と費用を解説

東京都大森駅徒歩50秒の歯医者・歯科「おおもり北口歯科」です。
お子さまの歯並びが気になり始めたとき、「いつから矯正を始めるべきなのだろう」「どんな治療法があるのだろう」と悩む保護者の方は少なくありません。特に、目立ちにくいマウスピース矯正は、お子さまの学校生活への影響を心配される保護者の方にとって魅力的な選択肢の一つです。この記事では、子供のマウスピース矯正が一体どのようなものなのか、そしていつ頃から始めるのが最適なのか、さらに治療にかかる費用についても詳しく解説します。お子さまの健やかな成長を願い、最適な治療法を見つけるための第一歩として、ぜひお役立てください。
子供のマウスピース矯正とは?大人の矯正との違い
子供のマウスピース矯正は、単に歯をきれいに並べるだけでなく、顎の骨の健全な成長を促し、将来生えてくる永久歯が正しい位置に並ぶためのスペースを確保することを主な目的としています。お子さまの成長する力を利用し、顎の大きさや上下のバランスを整えることで、歯並びだけでなく顔全体のバランスも考慮した治療を行います。
大人の矯正治療との根本的な違いは、その治療目的とアプローチにあります。大人の矯正は、すでに成長が完了した顎の骨の中で、歯の位置を移動させる「歯の移動」が中心です。そのため、抜歯を伴うケースも少なくありません。一方、子供の矯正治療、特に成長期に行う「1期治療」は、顎の成長発育を利用して骨格的な問題を改善し、歯が並ぶ土台を整える「顎骨の育成」に主眼を置きます。この成長期ならではのアプローチが、将来の治療の負担を大きく軽減することにつながります。
このような治療目的の違いは、治療法の選択や開始時期の考え方に大きく影響します。子供の矯正では、成長段階に応じて様々な装置を使い分け、歯並びだけでなく、口呼吸や舌の癖といった口腔機能の問題も同時に改善を目指します。これにより、ただ歯を並べるだけでなく、お子さまの健やかな成長と全身の健康にも良い影響を与えることが期待できるのです。
成長期に行う「1期治療」が重要
乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」に行われる矯正治療のことを「1期治療」と呼びます。この時期は、お子さまの顎の骨が活発に成長しているため、骨格的な問題、例えば上顎が狭い、下顎が出すぎているといった問題を根本的に改善する絶好の機会とされています。
なぜこの1期治療が重要なのでしょうか。それは、お子さまの成長ポテンシャルを最大限に活用できるからです。大人の矯正では、すでに固まった顎の骨を大きく広げたり、前後関係を大きく変えたりすることは外科手術なしでは困難です。しかし、成長期の子供であれば、顎の成長を利用して、例えば狭い上顎を横に広げたり、下顎の成長をコントロールしたりすることが可能になります。これにより、将来的に永久歯がきちんと並ぶための十分なスペースを確保でき、歯がデコボコに生える「叢生(そうせい)」や、重度の「出っ歯(上顎前突)」、「受け口(反対咬合)」といった不正咬合を効果的に改善できる可能性が高まります。
さらに、1期治療を適切に行うことで、多くのメリットが得られます。最も大きなメリットの一つは、将来的な本格矯正(永久歯が生えそろってから行う「2期治療」)が不要になる、あるいは治療が非常に簡素化される可能性が高まることです。抜歯をせずに済むケースが増えたり、治療期間が短縮されたりすることもあります。このように、成長期の早い段階で適切な介入を行うことは、お子さまの歯並びと顎の健全な発達を促し、長期的な口腔健康と美しい笑顔を育む上で非常に重要なステップとなるのです。
子供の矯正ならではの3つのメリット
子供の時期に矯正治療を開始することには、大人になってからでは得られない、成長期ならではの大きなメリットが3つあります。
1つ目のメリットは、お子さまの「顎の成長を正しい方向へ導ける点」です。例えば、受け口や出っ歯といった骨格的な不調和は、大人になると外科手術を検討しなければならない場合もあります。しかし、成長期の子供であれば、顎の成長をコントロールする矯正装置を用いることで、これらの骨格的な問題を改善できる可能性が高まります。早期に適切な治療を行うことで、将来的な外科手術のリスクを低減し、バランスの取れた顔立ちへと導くことができます。
2つ目のメリットは、「永久歯のスペース確保」です。乳歯と永久歯が混在する時期に顎の幅を広げたり、歯が正しく生え変わるための誘導を行ったりすることで、将来的にすべての永久歯がきれいに並ぶための十分なスペースを確保できます。これにより、永久歯が生えるスペースが足りずに歯がガタガタになってしまったり、抜歯が必要になったりするリスクを大幅に減らすことが期待できます。
そして3つ目のメリットは、「口周りの悪い癖の改善」です。口呼吸、舌の癖(舌を前に突き出す癖など)、指しゃぶり、爪噛みといった習慣は、歯並びだけでなく、顎の成長や顔つき、発音にも悪影響を与えることが知られています。矯正装置の中には、これらの口腔周囲の筋肉のバランスを整え、正しいお口の機能へと導く効果を持つものがあります。例えば、マウスピース型装置によって舌の位置を改善し、鼻呼吸を促すことで、歯並びの改善だけでなく、アレルギー症状の軽減や集中力の向上といった全身的な健康への良い影響も期待できるのです。
子供のマウスピース矯正、始めるべき最適な時期はいつから?
お子さまの歯並びが気になり始めたとき、いつから矯正治療を始めるのが最も効果的なのかは、多くのお父さま、お母さまが抱く疑問ではないでしょうか。子供のマウスピース矯正は、お子さま一人ひとりの歯の生え方や顎の成長段階によって最適なタイミングが異なります。しかし、一般的に治療効果を最大限に引き出せる「ゴールデンエイジ」と呼ばれる時期が存在します。次のセクションでは、具体的な年齢の目安や、なぜその時期が最適とされているのかについて詳しく解説していきます。
開始時期の目安は6歳〜10歳頃(混合歯列期)
子供のマウスピース矯正を開始する時期の目安として、一般的に6歳から10歳頃の「混合歯列期」が理想的とされています。この時期は、乳歯と永久歯が混在しており、顎の骨が活発に成長する大切な期間です。この成長ポテンシャルを最大限に活用できることが、この時期に矯正治療を開始する大きな理由となります。
混合歯列期に行われる矯正治療は「1期治療」と呼ばれ、歯をきれいに並べることだけでなく、顎の骨の成長を良い方向に誘導し、将来永久歯が適切に生え揃うための土台作りを主な目的とします。例えば、上顎が狭いお子さまの場合、この時期にマウスピースなどの装置を用いて顎を広げることで、永久歯のスペースを確保し、抜歯の必要性を低減できる可能性があります。成長期だからこそ、骨格的な問題を外科手術なしに改善できる場合も少なくありません。
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、受け口(反対咬合)や交叉咬合(クロスバイト)のように、早期の治療介入が望ましい特定の歯並びの問題もあります。そのため、お子さまの歯並びの状態や顎の成長は一人ひとり異なるため、最終的な治療開始時期の判断は、矯正歯科医による詳細な検査と診断が不可欠です。まずは専門家にご相談いただくことをおすすめします。
【セルフチェック】歯科医院への相談をおすすめする歯並び・癖
お子さまの歯並びや口周りの癖は、保護者の方が日常的に観察することで、早期に問題を発見する手がかりとなります。以下に挙げる項目に一つでも当てはまる場合は、一度歯科医院に相談してみることを強くおすすめします。
歯がガタガタしている(叢生):歯が重なり合って生えていたり、ねじれて生えていたりする状態です。
出っ歯(上顎前突):上の前歯が下の前歯よりも大きく前に出ている状態です。
受け口(反対咬合):下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態です。
噛み合わせが横にずれている(交叉咬合):奥歯の一部が横にずれて噛み合っている状態です。
前歯が噛み合わない(開咬):奥歯は噛み合っていても、前歯の間に隙間ができてしまう状態です。
歯並びだけでなく、口周りの癖も歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼすことがあります。
いつもお口がポカンと開いている(口呼吸):口で呼吸していることが多く、お口が閉じにくい状態です。
指しゃぶりや爪噛み:指や爪を頻繁に噛む癖があります。
話すときに舌が歯の間から見える(舌突出癖):飲み込む時や発音する時に、舌が前に突き出てしまう癖です。
これらのサインは、将来の歯並びや顎の成長、さらには顔の表情にまで影響を与える可能性があります。お子さまの健やかな成長のためにも、気になる点があれば、まずは専門の矯正歯科医にご相談ください。
子供のマウスピース矯正にかかる費用相場
お子さまのマウスピース矯正にかかる費用は、使用する装置の種類、歯並びの難易度、治療期間、そして歯科クリニックの方針によって大きく異なります。そのため、一概に「いくら」と断言することは難しいのですが、このセクションでは、費用に関する皆さまの疑問を解消できるよう、具体的な費用の目安や内訳、さらには医療費控除の適用など、お金に関する重要な情報を詳しく解説していきます。
費用の目安と内訳
お子さまのマウスピース矯正(1期治療)にかかる費用は、一般的に30万円から60万円程度が目安となります。ただし、これはあくまで一般的な相場であり、お子さまの歯並びの状態や選択する装置の種類、治療期間によって変動するものです。
治療費の内訳としては、主に以下の項目が含まれます。まず「相談料」は、初回のカウンセリングで歯並びの状況や治療の概要を聞く際に発生する費用です。次に「精密検査・診断料」は、レントゲン撮影や歯型採取などを行い、詳細な治療計画を立てるために必要な検査費用を指します。そして最も大きな割合を占めるのが「装置代」で、マウスピース自体の費用が含まれます。最後に「調整料(処置料)」は、治療の進行に合わせてマウスピースの交換や調整を行うたびに発生する費用です。クリニックによっては、これらをすべて含んだ「トータルフィーシステム」を採用している場合もあります。トータルフィーシステムでは、最初に総額が提示されるため、治療期間中の追加費用を心配する必要が少ないというメリットがあります。一方、毎回の調整料がかかるシステムでは、治療が早く終われば費用を抑えられる可能性がありますが、治療期間が延びると総額が高くなることもあります。ご自身のライフスタイルや治療への考え方に合わせて、クリニックの料金体系を確認することが大切です。
治療費は医療費控除の対象になる?
お子さまの矯正治療費は、医療費控除の対象となるケースがほとんどです。これは、お子さまの成長を促すための矯正治療が、単なる見た目を整える審美目的ではなく、「発育段階にあるお子さまの健全な成長を阻害しないようにするために行う治療」と判断されるためです。大人の矯正治療でも、噛み合わせの改善など機能的な問題の治療であれば対象となりますが、美容目的の矯正は対象外となる点が異なります。
医療費控除とは、ご自身や生計を一にするご家族のために支払った医療費が年間10万円を超えた場合、その医療費に応じて所得税や住民税が還付または軽減される制度です。医療費控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。治療費の領収書は必ず保管しておきましょう。また、場合によっては歯科医師の診断書が必要になることもありますので、事前にクリニックに確認しておくと安心です。詳しい手続き方法や必要書類については、国税庁のウェブサイトや最寄りの税務署で確認することをおすすめします。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いは?メリット・デメリットを比較
お子さまの歯並びを整えることを考えたとき、マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらも代表的な選択肢です。しかし、それぞれの治療法には特徴があり、お子さまの歯並びの状態、年齢、そして日常生活に合わせて最適な方法は異なります。このセクションでは、お子さまにとってどちらの治療法が適しているかを判断する上で役立つよう、それぞれのメリットとデメリットを詳しく比較してご紹介します。
子供のマウスピース矯正のメリット
お子さまがマウスピース矯正を選択するメリットは、主に3つの側面から考えられます。
1つ目は「見た目と快適性」です。マウスピースは透明な素材でできており、装着していてもほとんど目立ちません。思春期に差し掛かるお子さまにとって、見た目を気にせず矯正治療を進められることは大きな心理的メリットとなります。また、ワイヤーやブラケットのように口の中に装置が常時固定されないため、装置による口内炎や痛みが生じにくい点も快適性が高いといえるでしょう。
2つ目は「衛生管理のしやすさと食事の自由度」です。マウスピースは食事や歯磨きの際に取り外すことができます。そのため、普段通りに歯磨きができ、ワイヤー矯正に比べて虫歯のリスクを低減しやすいのが特徴です。また、食事の際に装置を外せるため、硬いものや粘り気のあるものなど、食べ物の制限を気にする必要がありません。
3つ目は「トラブルの少なさ」です。ワイヤー矯正では、装置が外れたりワイヤーが飛び出して口の中を傷つけたりといった緊急のトラブルが起こることがあります。しかし、マウスピース矯正ではこのような物理的な破損や脱落のリスクがワイヤー矯正に比べて少なく、お子さまも保護者の方も安心して治療を進めやすいでしょう。
子供のマウスピース矯正のデメリットと注意点
マウスピース矯正はお子さまにとって多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットと重要な注意点も存在します。これらを理解しておくことが、治療を成功させる鍵となります。
最大のデメリットは「自己管理の必要性」です。マウスピース矯正は、歯科医師から指示された装着時間(通常1日20時間以上)を毎日しっかりと守らなければ、期待する治療効果が得られません。これは、お子さま自身の協力と、保護者の方による日々の見守りが不可欠であることを意味します。装着時間を守れなければ、治療期間が延びたり、計画通りに歯が動かなかったりする可能性があります。
次に「紛失・破損のリスク」があります。マウスピースは食事や歯磨きの際に取り外すため、その際に誤って捨ててしまったり、落として破損させてしまったりする可能性があります。再製作には追加費用が発生したり、新しいマウスピースが届くまでの間、治療が中断してしまったりすることもありますので、専用のケースに入れて大切に管理することが重要です。
最後に「適応症例の限界」についても考慮が必要です。マウスピース矯正は多くの歯並びの改善に対応できますが、骨格的な問題が大きい場合や、非常に複雑な症例の場合には、マウスピース矯正だけでは対応しきれないことがあります。その場合は、他の装置との併用が必要になったり、ワイヤー矯正が推奨されたりすることもあります。お子さまの歯並びの状態によっては、マウスピース矯正が最適な選択肢ではない可能性もありますので、治療開始前に歯科医師と十分に相談することが大切です。
子供向けマウスピース矯正の種類と特徴
「子供のマウスピース矯正」と一括りに言っても、目的や対象年齢に応じてさまざまなブランドや種類の装置があります。このセクションでは、代表的なマウスピース型矯正装置をいくつかご紹介し、それぞれの特徴やどのようなお子さまに適しているかについて詳しく解説します。お子さまの歯並びの状態や成長段階によって最適な装置は異なりますので、ぜひ参考にしてください。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、世界中で広く使用されているインビザラインシステムのお子さま版で、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(一般的に6歳から10歳頃)のお子さまを対象としたマウスピース型矯正装置です。精密な3Dスキャンで採取した歯型データをもとに、カスタムメイドされた透明なアライナー(マウスピース)を段階的に交換していくことで、歯の移動と顎の拡大を同時に行います。
この装置は、歯がガタガタしている叢生(そうせい)や、歯の間に隙間がある空隙(くうげき)、歯並びのアーチを広げる歯列弓の拡大など、幅広い症例に対応できます。お子さまの顎の成長を利用しながら治療を進めるため、将来の本格矯正(2期治療)が必要になった場合でも、抜歯のリスクを減らしたり、治療期間を短縮したりする効果が期待できます。ただし、1日20~22時間以上の装着が必要とされており、お子さまご自身の自己管理能力と、保護者の方のサポートが非常に重要になります。
プレオルソ
プレオルソは、歯を直接動かすというよりは、「お口の機能改善」を主な目的とした機能的顎矯正装置です。柔らかいポリウレタン製の既製品マウスピースで、主に夜間の就寝中と日中の1〜2時間程度の装着で使用します。この装置の特徴は、舌を正しい位置に誘導したり、口呼吸を鼻呼吸へ促したり、口周りの筋肉のバランスを整えたりすることで、お子さまの健全な顎の成長と歯並びの発育をサポートする点にあります。
プレオルソは、出っ歯(上顎前突)や口呼吸、舌の悪い癖(舌突出癖)など、歯並びに悪影響を及ぼす習慣を改善するのに特に効果的です。比較的低年齢のお子さまから始めることができ、歯並びの根本的な原因にアプローチするため、将来的な本格矯正の必要性を減らしたり、治療を簡便にしたりする効果が期待されます。装置が柔らかく、装着時間も比較的短いことから、お子さまへの負担が少ないというメリットもあります。
その他の装置(マイオブレース、ムーシールドなど)
インビザライン・ファーストやプレオルソ以外にも、子供向けの矯正装置は複数存在します。例えば「マイオブレース」は、プレオルソと同様に口腔筋機能のトレーニングを目的とした装置で、専用の「アクティビティ」(トレーニング)を併用することで、より効果的なお口の機能改善を目指します。これは口呼吸や舌の癖など、歯並びに影響を与える根本的な原因にアプローチするものです。
また、「ムーシールド」は、特に低年齢のお子さまの「受け口(反対咬合)」の早期治療に特化したマウスピース型装置です。唇や頬からの圧力を排除し、上顎の成長を促すことで、受け口の改善を図ります。これらの装置は、それぞれ特定の歯並びの問題や癖の改善に焦点を当てており、お子さま一人ひとりの状態に合わせて最適なものが選ばれます。ご紹介した装置以外にも、様々な種類がありますので、最適な装置については、必ず歯科医師にご相談ください。
子供のマウスピース矯正|治療開始から完了までの流れ
子供のマウスピース矯正は、お子さまの歯並びを整え、健やかな成長をサポートするための大切な治療です。初回の相談から治療完了後の保定期間まで、一般的にどのようなステップで進んでいくのか、その全体像をこれから詳しくご説明します。治療の道のりをイメージしていただき、安心して一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
ステップ1:初診相談・カウンセリング
矯正治療の第一歩は、初診相談から始まります。この段階では、保護者の方がお子さまの歯並びについて気になっていること、疑問に思っていることなどを歯科医師に直接お話しいただけます。歯科医師は、お子さまのお口の中を実際に拝見し、現在の状態や考えられる問題点について大まかに確認します。
治療の必要性や、マウスピース矯正を含めた考えられる治療法の概要、おおよその治療期間や費用についても、この時に説明を受けることができます。本格的な治療に進む前に、まずは情報収集と、ご家族として治療を進めるかどうかの意思決定をするための大切な場ですので、気になることはどんなことでも気軽に相談してみてください。
ステップ2:精密検査・治療計画の立案
初診相談を経て、実際に矯正治療を検討される場合は、治療方針を決定するための「精密検査」に進みます。この検査では、お子さまのお口や顔の状況を正確に把握するため、様々なデータが採取されます。
具体的には、レントゲン撮影(頭部X線規格写真、パノラマX線写真など)、お顔やお口の中の写真撮影、そして歯型を採取します。歯型は、従来の粘土のような材料を使う方法に加え、最近では3Dスキャナーを用いた光学印象で行うクリニックも増えています。これらの詳細なデータに基づいて、歯科医師が正確な診断を下し、お子さま一人ひとりの成長段階や歯並びの状態に合わせた、最適な治療計画が立案されます。この治療計画については、保護者の方が納得できるまで、詳細な説明を受けることができますので、不明な点は遠慮なく質問しましょう。
ステップ3:マウスピースの作製・治療開始
治療計画にご納得いただき、同意されたら、いよいよ実際の治療がスタートする段階です。まず、精密検査で得られたデータと立案された治療計画に基づいて、お子さま専用のカスタムメイドのマウスピースが発注・作製されます。装置が完成し、クリニックに届くと、お子さまは初めてマウスピースを装着することになります。
この際、歯科医師がマウスピースがお口にしっかりとフィットしているかを確認し、お子さまと保護者の方に対し、装置の装着方法、取り外しのタイミング、正しい洗浄方法、そして最も大切な1日の装着時間など、取り扱いに関する詳細な指導を行います。この日を境に、ご自宅でのマウスピース矯正治療が本格的に始まることになります。
ステップ4:定期的な通院
マウスピース矯正は、ご自宅での装着がメインとなる治療ですが、治療期間中の定期的な通院は非常に重要です。通院の頻度は、使用する装置の種類や治療の段階によって異なりますが、一般的には1〜3ヶ月に1回程度となることが多いです。
定期通院の目的は多岐にわたります。歯科医師は、治療が計画通りに進んでいるかをチェックし、お子さまの顎の成長や永久歯の生え変わりの状況を観察します。また、治療中の虫歯や歯周病の有無も確認し、必要に応じて適切な処置を行います。インビザラインのようなシステムを使用している場合は、この通院時に次の段階のマウスピース(アライナー)を受け取り、新しいものへと交換していきます。
ステップ5:保定期間
マウスピースによる歯の移動が完了し、目標とする歯並びに近づいた後、治療は「保定期間」へと移行します。この期間は、動かした歯や改善した顎の位置が、元の場所に戻ろうとする「後戻り」を防ぐために非常に重要な期間です。保定期間中はお子さまの状態に合わせて、取り外し式のものや歯の裏側に固定するタイプなど、様々な種類の保定装置(リテーナー)が使用されます。
特に子供の1期治療後の保定期間は、治療で得られた良い結果を安定させるだけでなく、残りの永久歯が生えそろうのを待つ「観察期間」としての役割も担っています。この期間も定期的な通院が必要となり、歯科医師が後戻りの状況や永久歯の生え方を確認し、必要に応じてリテーナーの調整などを行います。長期的な安定した歯並びのために、保定期間もしっかりと取り組むことが大切です。
始める前に解消!子供のマウスピース矯正に関するQ&A
お子さまのマウスピース矯正をご検討中の保護者の方々が抱く疑問や不安は多岐にわたります。このセクションでは、そうした具体的な疑問に対して、一つひとつ分かりやすくお答えしていきます。治療の効果、日常生活での注意点、費用に関するお悩みまで、皆さまが「これも知りたかった」と感じるような、実践的な情報を提供できるよう努めます。
Q. 1日の装着時間はどのくらいですか?
マウスピースの1日の装着時間は、使用する装置の種類と治療の目的に応じて異なります。例えば、歯を積極的に動かしていく「インビザライン・ファースト」のようなタイプでは、通常1日20〜22時間の装着が推奨されています。これは食事や歯磨きの時間以外は常に装着している状態を指します。
一方で、口腔機能の改善を主な目的とする「プレオルソ」や「マイオブレース」のような装置では、就寝中の装着に加え、日中に1〜2時間程度の装着が目安となることが多いです。どちらのタイプであっても、歯科医師から指示された装着時間を守ることが、治療効果を最大限に引き出し、スムーズに治療を進めるために非常に重要となります。
Q. 食事や歯磨きの時に気をつけることは?
食事の際は、マウスピースを必ず外すことが重要です。装着したまま食事をすると、マウスピースが破損したり変形したりする恐れがあります。また、食べ物の色素がマウスピースに付着して着色したり、食べかすが装置と歯の間に挟まって虫歯の原因になったりすることもあります。ただし、水であればマウスピースを装着したままでも飲むことができます。
歯磨きについては、食後に必ず歯を磨いてからマウスピースを再装着することが基本的なルールです。マウスピースを外した後は、歯だけでなく、マウスピース自体も毎日洗浄するようにしてください。洗浄方法としては、柔らかい歯ブラシで優しく磨いたり、専用の洗浄剤を使用したりする方法があります。具体的な洗浄方法については、歯科医師からの指示に従うようにしましょう。
Q. 痛みはありますか?子供が嫌がりませんか?
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて痛みが少ないと言われていますが、全く痛みがないわけではありません。新しいマウスピースに交換したばかりの頃や、装置を使い始めた直後は、歯が押されるような違和感や軽い痛みを感じることがあります。これは歯が動き始めるサインでもありますが、ほとんどの場合、数日で慣れて気にならなくなることが多いです。
お子さまが治療を嫌がる可能性についてですが、最初は口の中に異物があることに慣れず、違和感から嫌がるお子さまもいらっしゃいます。しかし、多くのお子さまは短期間で装置に慣れていきます。保護者の方が、なぜ矯正が必要なのか、きれいな歯並びになるとどんな良いことがあるのかを分かりやすく説明したり、カレンダーに装着できた日にシールを貼るなどして、お子さまが楽しみながら治療に取り組めるような工夫をしたりすることで、お子さまの協力が得やすくなります。
Q. 小学生のうちに矯正すれば、大人の矯正は不要になりますか?
小学生のうちに行うマウスピース矯正(1期治療)の主な目的は、顎の成長をコントロールしたり、永久歯が生えるためのスペースを確保したりするなど、「歯並びの土台作り」にあります。そのため、1期治療を行ったからといって、必ずしも永久歯が生えそろってからの本格矯正(2期治療)が不要になるわけではありません。
しかし、1期治療を適切に行うことで、多くのメリットが得られます。例えば、2期治療が必要になった場合でも、治療期間が短縮されたり、抜歯のリスクを減らせたり、外科手術が必要な症例を回避できたりするなど、治療の負担を大幅に軽減できる可能性が高まります。ごく軽微な歯並びの問題であれば、1期治療だけで改善し、その後の本格的な矯正が不要になるケースもあります。お子さまにとって最適な治療計画は、個々の状態によって異なりますので、まずは矯正歯科の専門医に相談し、詳しい診断を受けることをお勧めします。
まとめ:お子さまの歯並びが気になったら、まずは矯正歯科に相談を
お子さまのマウスピース矯正は、透明な装置で目立ちにくいため、思春期を控えたお子さまにとって心理的な負担が少ないという大きなメリットがあります。また、顎の成長が活発な小学生の時期(混合歯列期)に治療を始めることで、顎の成長を良い方向に導き、永久歯が正しく生えそろうための土台作りができるため、非常に効果的な治療法と言えます。
しかし、マウスピース矯正の成功には、お子さまご本人が歯科医師から指示された装着時間を守ることと、保護者の方の温かいサポートが不可欠です。装置の装着や衛生管理はご家庭での協力が必要となるため、お子さまと保護者の方が治療に対して前向きに取り組むことが良い結果に繋がります。
お子さまの歯並びや噛み合わせについて「もしかして」と感じる点がありましたら、保護者の方だけで悩みを抱え込まず、まずは矯正歯科の専門家に相談することをおすすめします。早期に相談し、適切な診断を受けることが、お子さまの将来の口腔健康と健やかな成長にとって最良の選択肢となるでしょう。
監修者
神奈川歯科大学卒業後、中沢歯科医院 訪問歯科治療担当
医療法人社団葵実会青葉歯科医院 分院長就任
シンタニ銀座歯科口腔外科クリニック 親知らず口腔外科担当
医療法人社団和晃会クリーン歯科 分院長就任
医療法人社団横浜駅前歯科矯正歯科 矯正口腔外科担当
医療法人社団希翔会日比谷通りスクエア歯科
おおもり北口歯科 開業
昭和大学口腔外科退局後は、昭和大学歯学部学生口腔外科実習指導担当経験 また、都内、神奈川県内の各歯科医院にて出張手術担当。
【所属】
・日本口腔外科学会
・ICOI国際インプラント学会
・日本口腔インプラント学会
・顎顔面インプラント学会
・顎咬合学会
・スポーツ歯科学会
・アメリカ心臓協会AHA
・スタディーグループFTP主宰
【略歴】
・神奈川歯科大学 卒業
・中沢歯科医院 訪問歯科治療担当
・医療法人社団葵実会青葉歯科医院 分院長就任
・シンタニ銀座歯科口腔外科クリニック 親知らず口腔外科担当
・医療法人社団和晃会クリーン歯科 分院長就任
・医療法人社団横浜駅前歯科矯正歯科 矯正口腔外科担当
・医療法人社団希翔会日比谷通りスクエア歯科


