歯科医院の設備に関して⑨【ガイドサージェリー】
当院のインプラントシステムにおける、ガイドサージェリーの利点や欠点を紹介します。
ガイドサージェリーの利点

※日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 10 : 216-223, 2018
「インプラント治療におけるデジタルデンティストリーの活用」より引用
上記論文のように、インプラント治療においてガイドを利用する場合、主な利点はインプラント埋入位置の精度向上です。
ガイドを用いることで、術前のデジタルプランニング通りにインプラントを埋入できるため、解剖学的制約(神経や隣接歯など)や補綴的要件を確実に反映した理想的な位置・角度での埋入が可能となります。

自分が大学病院所属時に調査した研究では、ガイドを使用しない場合と使用する場合に優位な差を認めたため、
当院では、有歯顎歯牙欠損症例では必ずガイド使用を患者様にご説明しております。

上記は左側が、ガイドを使用した場合の適切な位置、右側が、ガイドを使用しない場合に高確率で起こる不適な位置です。
本来入れるべき骨から逸脱している可能性があります。もちろん経験によってはここまで大きく外れることはありませんが、理論的には十分骨穿孔を起こす可能性があります。

上記は左側が適切にガイド使用した場合、右側がガイドをしない場合の比較です。
近年では、CAD/CAM技術や3Dプリンターを用いたガイドの開発が進み、従来のラボ製ガイドやフリーハンド埋入と比較して、埋入位置・深さ・角度の誤差が有意に減少することが複数の臨床研究で示されています。
特に複雑な症例(骨量不足、即時荷重、審美領域など)ではガイドの有用性が高いとされています。
まとめると、インプラント埋入時にガイドを利用することで、埋入精度の向上、合併症リスクの低減、手術の予測性・安全性の向上など、多くの臨床的利点が得られます。
ガイドサージェリーの欠点と注意点
ただし、インプラントガイドに頼りすぎてしまうと、予期せぬ骨穿孔や、硬い骨でドリルが滑って予定していた埋入ポジションを形成できない、
手指の感覚が伝わりづらいため骨熱傷を起こしてしまう、また開口量が少ないとそもそもガイドそのものが入らないなどのデメリットがあります。
基本に忠実に一手一手慎重な確認動作や、想定外への対応、様々な準備をおろそかにしてしまうと、いかに安全な器具でも合併症のリスクも高まります。
そのため、我々は今後も手術前の入念なシミュレーションをより確実に丁寧に行っていきます。
執筆者
神奈川歯科大学卒業後、訪問歯科診療や分院長としての勤務をはじめ、口腔外科・矯正歯科・インプラント治療など、幅広い分野で臨床経験を積んできました。
口腔外科処置では、都内・神奈川県内の歯科医院にて出張手術も担当。 昭和大学口腔外科退局後は、昭和大学歯学部にて学生実習の指導にも携わり、臨床と教育の両面から歯科医療に向き合ってきました。
現在は、おおもり北口歯科の理事長・院長として、各分野に精通したドクター陣と連携し、それぞれの専門性を活かしながらチーム全体でお口を総合的に診る診療体制を構築。
患者さま一人ひとりにとって納得できる治療を大切にしています。
日々進化する歯科治療技術の研鑽を積み重ね、治療に臨むことをお約束いたします。
お口のことで不安や疑問があれば、どんなことでもご相談ください。
【所属】
・日本口腔外科学会
・ICOI国際インプラント学会
・日本口腔インプラント学会
・顎顔面インプラント学会
・顎咬合学会
・スポーツ歯科学会
・アメリカ心臓協会AHA
・スタディーグループFTP主宰
【略歴】
・神奈川歯科大学 卒業
・昭和大学口腔外科学講座 学生指導担当
・ICOI国際インプラント学会インプラント外科 ベーシックコースインストラクター
・中沢歯科医院 訪問歯科治療担当
・医療法人社団葵実会青葉歯科医院 分院長就任
・シンタニ銀座歯科口腔外科クリニック 親知らず口腔外科担当
・医療法人社団和晃会クリーン歯科 分院長就任
・医療法人社団横浜駅前歯科矯正歯科 矯正口腔外科担当
・医療法人社団希翔会日比谷通りスクエア歯科
・おおもり北口歯科 開業


