親知らずと親知らず抜歯について③ 抜歯の仕方と流れ
今回は抜歯の仕方と流れをお伝えします。
目次
- 1. 手術説明・同意書作成
- 2. 表面麻酔・浸潤麻酔・伝達麻酔
- 3. 必要であれば切開・剥離
- 4. 必要であれば歯冠分割・歯根分割
- 5. 歯根脱臼
- 6. 抜去・掻把
- 7. 縫合・補填材
- 8. 数日後の消毒
- 9. 抜糸
1. 手術説明・同意書作成
事前にどのような抜き方で行くかご説明し、術後のリスクなどをご説明します。
また当院のお約束として、手術中の痛みに関しては必ずコントロールして抜歯を行います。
事前にしっかりと麻酔を行いますが、時には麻酔の効きが弱く、手術中に痛いのを我慢してくれる患者さんもいらっしゃいます。
しかし我慢してしまうと追加の麻酔が全く効かなくなってしまうので必ずほんの少しの痛みが出た場合でも追加で麻酔を行うことをお約束としてご説明いたします。
手術中も痛みについては確認しながら施術しますのでご安心ください。
2. 表面麻酔・浸潤麻酔・伝達麻酔(下顎の抜歯の際)
3段階に麻酔は分けて実施しています。
まずは注射針のチクッとする痛みを和らげる表面麻酔をしっかりと行います。
次に歯の周囲に麻酔を行います。
そのあと、歯の神経よりも中枢側の太い感覚神経の周囲に麻酔を行っていきます。
より根本から麻酔を行っていくことにより、手術中の痛みをゼロにします。
もちろん、施術中に痛みがあればすぐに追加の麻酔を行います。
3. 必要であれば切開・剥離
歯肉に親知らずが埋まっている場合歯肉切開を行い、剥離と言ってその歯肉を展開します。
そうすると、歯の一部が見えてきます。
なお骨に埋まっている場合は、骨削合と言って、骨を専用の器具で削って、歯の一部を露出させていきます。

4. 必要であれば歯冠分割・歯根分割
見えてきた歯は、このまますっぽり取り出せれば非常に素早く終わりますが、隣の歯に引っかかっている場合や、根っこが湾曲と言って曲がっている場合は、
歯のひっかかっている部分や、根っこを分割して少しずつ抜去していきます。

5. へーベル(挺子)や、鉗子を用いて歯根脱臼
抜歯の時に気を付ける3作用を用いて(くさび、回転、てこ)残っている歯根を脱臼(抜去)します。
くさび作用:歯と歯を支える骨の間に器具を滑り込ませて垂直方向に力を加えると、歯が浮き上がってくる力になります。
回転作用:くさび作用にてある程度、歯と歯を支える骨の間にすき間が出来た場合、器具を回転させると歯に力が加わり、歯が動いてきます。いわゆる歯をぐりぐりする力になります。
これが最も基本的な抜歯の仕方になります。
ただし、ぐりぐりせずにぐりっと一発で力がかけられればスムーズな抜歯になります。
いわゆるぐりぐりするのはかなり不快な力になるので当院では出来るだけスムーズに抜歯できるように工夫しております。
てこ作用:てこの原理を使って歯に強烈な力を加える方法ですが、根っこが折れてしまう可能性がきわめて高く、ある程度脱臼してからでないとこの力は使いません。
6. 抜去・掻把(ソウハ)
歯を抜いたあとは、不良肉芽と言って、汚れが残っている場所を掻把(かき出すこと)します。
7. 縫合・必要に応じて抜歯創用補填材
歯が完全に抜けていることを確認して、切開した部位は縫合を行います。
また必要に応じて、傷口にコラーゲンを詰め込むこともあります。

8. 数日後に傷口の確認・消毒
とても重要なのですが、抜いた場所を手術後確認します。
傷口が開いていないか確認し、消毒を行います。
9. 縫合している場合1~2週間後に抜糸
約1~2週間後に糸取りを行います。
これで問題がなければ、施術は終了になります。
出典:昭和医科大学歯学部附属病院口腔外科
執筆者
神奈川歯科大学卒業後、訪問歯科診療や分院長としての勤務をはじめ、口腔外科・矯正歯科・インプラント治療など、幅広い分野で臨床経験を積んできました。
口腔外科処置では、都内・神奈川県内の歯科医院にて出張手術も担当。 昭和大学口腔外科退局後は、昭和大学歯学部にて学生実習の指導にも携わり、臨床と教育の両面から歯科医療に向き合ってきました。
現在は、おおもり北口歯科の理事長・院長として、各分野に精通したドクター陣と連携し、それぞれの専門性を活かしながらチーム全体でお口を総合的に診る診療体制を構築。
患者さま一人ひとりにとって納得できる治療を大切にしています。
日々進化する歯科治療技術の研鑽を積み重ね、治療に臨むことをお約束いたします。
お口のことで不安や疑問があれば、どんなことでもご相談ください。
【所属】
・日本口腔外科学会
・ICOI国際インプラント学会
・日本口腔インプラント学会
・顎顔面インプラント学会
・顎咬合学会
・スポーツ歯科学会
・アメリカ心臓協会AHA
・スタディーグループFTP主宰
【略歴】
・神奈川歯科大学 卒業
・昭和大学口腔外科学講座 学生指導担当
・ICOI国際インプラント学会インプラント外科 ベーシックコースインストラクター
・中沢歯科医院 訪問歯科治療担当
・医療法人社団葵実会青葉歯科医院 分院長就任
・シンタニ銀座歯科口腔外科クリニック 親知らず口腔外科担当
・医療法人社団和晃会クリーン歯科 分院長就任
・医療法人社団横浜駅前歯科矯正歯科 矯正口腔外科担当
・医療法人社団希翔会日比谷通りスクエア歯科
・おおもり北口歯科 開業


