今回は、当院で日々の診療を支えている大切な機器のひとつ、「拡大鏡」についてお話ししたいと思います。

 

お口の中は実はとても見えにくい

皆さんが普段目にすることのないお口の中は、実は非常に奥行きがあり、暗く、複雑な構造をしています。
お子さんの仕上げ磨きをしたり、ご自身の口の中を鏡で覗いたりしたことがある方なら、「思った以上に見えにくい」と感じたことがあるのではないでしょうか。

 

従来の歯科治療における視野の課題

従来の歯科治療では、診療ユニットに無影灯と呼ばれる照明が設置されています。
しかし実際の治療中は、吸引器具や術者の手が重なり、十分な視野を確保できない場面も少なくありません。
暗い視野の中で、慎重に処置を進めなければならないこともありました。

※出典
YOSHIDA ノバセリオα ホームページより画像引用

 

Surgitel社製の照明付き拡大鏡を使用しています

そこで当院では、開業当初から、処置の際には必ずSurgitel(サージテル)社製の照明付き拡大鏡を使用しています。
約6倍に拡大された明るくクリアな視野により、細かな部分まで確認しながら、より精度の高い診療を行うことが可能になります。

 

全スタッフが拡大鏡を使用する診療体制

正直に言うと、私自身もこの拡大鏡を使わずに診療を行うことは、もう考えられません。
それほどまでに、治療の質や安心感が大きく変わりました。
当院では、この診療環境を全員で共有したいという考えから、一般診療においてもすべてのスタッフが拡大鏡を着用して治療を行っています。


※出典 
SurgiTel EVK450 フレーム オークリー RadaEV ホームページより画像引用

 



※出典
SurgiTel Light System High Intensity ホームページより画像引用

 

見えやすさだけではない拡大鏡のメリット

また、拡大鏡のメリットは「見えやすさ」だけではありません。
Surgitel社が提唱しているように、適切な距離で使用しなければピントが合わない構造のため、自然と正しい姿勢が保たれます。

 

身体的負担の軽減と長く続けられる診療

一日に何人もの患者さんを診療し、長く歯科医療に携わっていく私たちにとって、腰痛などの身体的負担は大きな課題です。
私自身、姿勢が改善されたことで腰痛などの不調を感じることがほとんどなくなりました。
これは実際に拡大鏡を使用しているスタッフにも共通しており、現在、治療姿勢が原因で体の不調を訴えるスタッフはいません。

 

高精度な治療を支える診療環境づくり

患者さんにはなかなか見えにくい部分ではありますが、当院では「高精度な治療」を支える診療環境づくりにも力を入れています。
こうした取り組みが、日々の安心・丁寧な診療につながっていることを感じていただければ嬉しく思います。

 

執筆者

菊池 雄一 | Kikuchi Yuichi

神奈川歯科大学卒業後、中沢歯科医院 訪問歯科治療担当
医療法人社団葵実会青葉歯科医院 分院長就任
シンタニ銀座歯科口腔外科クリニック 親知らず口腔外科担当
医療法人社団和晃会クリーン歯科 分院長就任
医療法人社団横浜駅前歯科矯正歯科 矯正口腔外科担当
医療法人社団希翔会日比谷通りスクエア歯科
おおもり北口歯科 開業
昭和大学口腔外科退局後は、昭和大学歯学部学生口腔外科実習指導担当経験 また、都内、神奈川県内の各歯科医院にて出張手術担当。
 

【所属】
日本口腔外科学会
ICOI国際インプラント学会
日本口腔インプラント学会
顎顔面インプラント学会
顎咬合学会
スポーツ歯科学会
アメリカ心臓協会AHA
・スタディーグループFTP主宰

【略歴】
神奈川歯科大学 卒業
・中沢歯科医院 訪問歯科治療担当
医療法人社団葵実会青葉歯科医院 分院長就任
シンタニ銀座歯科口腔外科クリニック 親知らず口腔外科担当
医療法人社団和晃会クリーン歯科 分院長就任
医療法人社団横浜駅前歯科矯正歯科 矯正口腔外科担当
医療法人社団希翔会日比谷通りスクエア歯科

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